デスメタルにポリリズムを採用したMeshuggah、変態バンドにしてDjentの始祖

メタルとの出会い

僕はハードロックやヘヴィメタル、ハードコアが大好きで事業所にもよく好きなバンドのTシャツを着ていって(当然誰も知らないような)よくいじられる(笑)

僕がこのような音楽を聴くようになったきっかけは、高校の時にギターを弾いている友達がいて、彼の影響からである。

当時メタルはおろか、洋楽すらほとんど聴いたことのない自分だったが、初めはAC/DCやLed Zeppelin、Deep PurpleにBlack Sabbathといった定番なハードロック、Judas PriestやIron Maiden、MetallicaにSlipknotといったこれまたメタル初心者が最初に聴き始めるような定番なバンドから聴き始めていった。

次第に自分からいろいろ進んでバンドやジャンルを調べていくようになり、みるみるはまり込んでいった。

スラッシュメタルにデスメタル、ブラックメタルにグラインドコア、ドゥームメタルにゴシックメタル、ニューメタルなど、日々探求、何でもかんでもとにかく聴き漁った。(ちなみに今はスラッジコアなんかにハマり中)

さらに僕をメタルの虜にしていったきっかけは、大学進学を機に東京で一人暮らしを始めたのがきっかけだろう。

なんといっても御茶ノ水にディスクユニオン(disk union、 東京を中心に展開するCD、レコードの新品・中古販売、買取を行うCDショップ)が数店舗あり、その中に国内最大級のハードロック・ヘヴィメタル専門のディスクユニオンがあったことだろう。

今までAmazonくらいでしか買えなかったメタルのCDが、そこへ行けば何でも、しかも中古で安く、簡単に手に入れることができるのだ。

さらに今まではメジャーなバンドばかり聴いていたが、そこではマイナーなバンド、マニアックなバンド、アングラな世にあまり出回らないバンドのCD・LPも手に入る。もう大学と下宿先と御茶ノ水を往復する日々だ。

変態と天才は紙一重 Meshuggahの魅力とは

と、まあここまで前置きが長くなってしまったが、いろいろメタルを聴く中で自分が衝撃を受けたバンドの一つ、そしてその曲のいくつかを紹介しようと思う。

メタル好きな人ならまあだいたい知っているであろう、スウェーデンはウーメオ出身のデスメタルバンド、Meshuggah(メシュガー)だ。(ボーカルのイェンス・キッドマンの変顔があまりにも有名)

僕が初めてこのバンドの曲を聴いた時の最初の感想は「なんじゃこりゃ??」である。

いろいろデスメタル、ブルータルデスメタル、スラミングデスメタルなどを聴いてきて耳は慣れているはずなのだが、衝撃を受けた。

ほぼすべての曲のリズムが聴いているうちにだんだんとズレていってヘンテコな展開をしていく。

曲展開が複雑すぎて先が読めない。いわゆる“変拍子”というやつだ。しかもこれが終始続く。

ボーカルのシャウトの入り方も唐突だったり予想が出来ない。

最初はその変態すぎるリズムに車酔いでもしたかのような感覚に陥ったが、それでも負けじと何度も聴き続ける。すると不思議とだんだんとその摩訶不思議なリズムが絶妙なグルーヴ感と浮遊感を生み出していることが分かってきた。

まるですべての生き物がそれぞれ異なる動きをしているのに謎の一体感、自然さ、が感じられる海の中に漂っているようである。

Meshuggahが取り入れているこの変拍子はポリリズムというものである。(Perfumeの曲ではない)ポリリズムとは簡単にいうと、リズムの異なるいくつかの演奏を同時に演奏する技法であり、世界各国の民族音楽などによく用いられている。

私も専門家ではないので、詳しくはわからないのだが、例えば、四拍子の演奏と二拍子の演奏を同時に演奏したり、三拍子で続く演奏の中に二拍子を挿入したりする感じなのだろうと思う。

「ズン、ズン、チャ、ズン、ズン、チャ」とか「ズン、チャ、ズンズンズン、チャ」とか、言葉で表すとこんな感じだろうか。

それにより、独特のリズム感を表現することができるらしい。

Meshuggahはこのポリリズムを用いるどころか多用しまくり、さらに拍子も二重、三重、四重とかなり複雑に重ね合わせて演奏している。

演奏しているとき、頭がゴチャゴチャにならないのだろうかと思う。素人なら。

さらにMeshuggahはただ単にめちゃくちゃに、適当に作曲しているわけではなく、人が聴いてギリギリ不快に聴こえない、不思議なグルーヴ感を感じられるように、細かく計算して作曲しているのである。

Meshuggahの魅力その二

そして圧巻なのはライブである。Meshuggahは2017年のラウドパーク(日本最大級のハードロック・ヘヴィメタル専門のフェス)にて二度目の来日をした。この機を逃せば次いつ観られるかもわからないため、もちろん私もMeshuggah目当てで観に行った。

あんなに複雑なメロディーの曲を、果たしてライブで全くミスせずに演奏なんて出来るのか…?私の心配は杞憂だった。

まるで機械が演奏しているかの如く正確な演奏に、ベースの非常に重い重低音で、会場に流れる曲が立体的に聴こえる。

さらに素晴らしいのは照明である。Meshuggahは5人組のバンドだが、通称、“6人目のMeshuggah”とも呼ばれる専属の照明係をライブに連れてくる。その照明さんはMeshuggahの曲を熟知しており、その複雑なリズムの曲に合わせてライトを動かしたり、揺らめかしたり、完璧に曲にピッタリと合わせて自在に照明を操る。その照明も相まって会場の一体感は凄まじい迫力となる。

まさにクセになったら夢中になること間違いなしのMeshuggah、あなたも一度聴いてみては?

written by 就労継続支援B型事業所 ユアライフ新大阪