ドゥームメタルなのに激しい!? 矛盾してない!? 「スラッジコア」の魅力を掘り下げ!

スラッジ、スラッジコアって?

どうも、前回グラインドコアとドゥームメタルについてカキコミさせて頂いた者です。だいだいいつもメタル関係のことばかり書いているのでまたアイツか、とバレてそうですが、今回紹介させていただくのは前回のドゥームメタルの記事で紹介できなかったドゥームメタルの派生ジャンルの一つ、「スラッジ」、「スラッジコア」であります。
「スラッジメタル」、「スラッジコア」、または単に「スラッジ」と呼ばれることもありますが、基本的に大きな違いはありません。
「スラッジコア」とは、簡単に言うとドゥームメタルにハードコアを融合させた音楽ジャンルです。ハードコアとは、正式にはハードコア・パンク。パンク・ロックをより過激に発展させたものですね。だいたいはハードコアと略して言われます。
このハードコアがヘヴィメタルと融合したものが「メタルコア」、デスメタルと融合したものが「デスコア」となるのです。しかし、その中でもよりによってなんでドゥームメタルと融合しようとしたのか・・・・・
デスメタルとドゥームメタルの融合が「デスドゥーム」、ストーナー・ロックとの融合が「ストーナードゥーム」など前回いろいろ紹介しましたが、ハードコアとの融合・・・・一体どんな化学反応が起こるのか大変興味深いでしょう。(興味深いですよね・・・!?ぼくだけ・・?)
「激しい・速いのハードコア」と「遅い・気怠いのドゥームメタル」、対極をなす存在同士のぶつかり合いであります。

スラッジコアの生まれた経緯

そもそも「スラッジ」という単語の意味は何ぞや?と思われるでしょう。
sludge (泥、ヘドロ、泥沼、ぬかるみ)
だいたいこういった意味です。ドゥームメタルの重くて遅いギターリフを、さらにザラザラ・ズリズリと極限にまで重く遅くディストーションを効かせたギターリフがまるで車がぬかるみにズブズブとはまっていくような感じに似ていることからこの単語が採用されたのでしょう。または気候の影響もかなり関係しています。
スラッジコアの本場はアメリカはルイジアナ州、ニューオーリンズであります。ニューオーリンズはご存じの通り、ミシシッピ川が流れており年間をかけて湿度の高いジメジメとした地域であり、水害も多い。水害でよく町は泥水で水浸しになり、そこら中ぬかるみだらけになることもあります。こういった気候も「スラッジ」というジャンルを生み出したことに大きく関係しています。
そしてもう一つ、重要なポイントが。スラッジコアはドゥームメタルだけではなく、ブルースやジャズ・ロックといったサザンロック(アメリカ南部の男らしく泥臭いロックの総称)の要素も含まれております。ギターは非常に重くてボーカルはシャウトしていて一見ただのやかましい音楽のように思われますが、よく聴くとジャズやブルース調のメロディーラインで、聴いていてとてもノリがよく、楽しい。根底はハードコアなのでシャウトボーカルに急にテンポを落とすブレイクダウンも用いられ激しい音楽なのですが、ジャズ・ブルース調のメロディーラインによって同時に渋さも感じられるのであります。ジャズの本場といえばニューオーリンズなので、自然とこれらの融合が出来上がったのでしょう。

代表的なバンド

スラッジコアの本場はニューオーリンズと言いましたが、その先駆けとなった音楽を最初に作ったのはワシントン州のMelvins(メルヴィンズ)と言われています。今ではオルタナティヴ・ロックバンドとしてのイメージが強いMelvinsですが、初期のころはかなり実験的な音楽を精力的に制作していました。その中でスラッジコアの原型ともいえる、重々しいドゥームメタルなギターリフをさらに重く、ズリズリとディストーションを効かせ、シャウトボーカルを乗せるスタイルを生み出しました。その影響が広まり、とりわけニューオーリンズで爆発的に流行したわけです。
Melvinsの代表的なアルバムの一つといえば『Houdini』でしょう。アルバムジャケットの可愛らしいイラストとは裏腹に息が詰まりそうなほど重苦しい曲の数々です。

さらにこれは小ネタ話ですが、Melvinsはあの一世を風靡したアメリカの伝説的ロックバンド、Nirvana(ニルヴァーナ)のボーカル、カート・コバーンと非常に親しい関係にあり、(というか、当時同じアパートに住んでいたほどらしい)当時カート・コバーンはMelvinsに加入したくてオーディションを受け、最終的に落ちたらしい。
そしてこれはスラッジコアを語る上で絶対に外せないバンド、Eyehategod(アイヘイトゴッド)を紹介しよう。前述したドゥームメタル×ハードコア×サザンロックのニューオーリンズスタイルのスラッジコアを確立させたバンドである。ニューオーリンズといえばEyehategod、といっても過言ではないでしょう(たぶん過言)
Eyehategodはそのバンド名の読み方のとおり、神を憎んでいる、宗教を皮肉っている内容の曲を作っている。銃社会、戦争、児童ポルノ、薬物中毒、身体障害、精神障害、宗教の堕落、など様々な社会問題をブルージーなリフに乗せて歌い(叫び)上げている。アルバムジャケットも、薬物乱用者のボロボロになった歯や肌の写真、児童ポルノや性的搾取を暗示する写真、人体欠損や義手義足の写真、人体実験などの写真が多く用いられており、ひどく悪趣味全開で苦手な方は見ないことをお勧めします。
他にもここでは紹介しきれない多くのおすすめのスラッジコアバンドがあります。同じくニューオーリンズのDownやCrowbar、ニューオーリンズ以外ではBuzzovenやAcid Bath、Grief、イギリスのIron Monkeyなど。「一般受け」などという言葉は辞書に無い、スラッジコア、あなたも聴いてみては?
最後にEyehategodの代表曲「Blank」と、個人的に好きな曲を紹介して終わります。では。

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