水島作品の総決算と呼ぶにふさわしい『ドカベンスーパースターズ編』

ドカベンとは

『ドカベン』は、水島新司の日本の野球漫画、およびそれを原作としたアニメ・映画・ゲーム作品。『週刊少年チャンピオン』(秋田書店) ドカベン – Wikipedia

「ドカベン…スパースターズ編」は週刊少年チャンピオンの2004年6号から2012年17号まで掲載されました。「ドカベン」「大甲子園」及び「ドカベンプロ野球編」の続編です。

物語はフィクションですが、実在するチームや選手が登場するのがこの漫画の面白いところです。

あらすじは次の通りです。「ドカベン プロ野球編」終盤においてFA宣言した「山田世代」の選手達が2004年、新しくパ・リーグに創設された2球団「東京スパースターズ」と「四国アイアンドッグス」とに分かれて入団します。

スーパースターズは東京ドームを本拠地とし、監督は土井垣将。山田太郎、岩鬼正美ら明訓五人衆が入団。一方アイアンドッグスは本拠地を松山坊ちゃんスタジアムに置き、犬飼小五郎が監督になり、不知火守、土門剛介ら高校時代のライバル達が入団します。

山岡・緒方・足利・木下(わびすけ)・フォアマン・がもん・隼などのかってのチームメイトやライバル達もプロ野球に参戦し、熱戦を繰り広げます。2005年の日本シリーズは、東京スーパースターズ対札幌華堂メッツとなり、「新・野球狂の詩」と同一の世界観を共有する事になりました。

この日本シリーズの模様は「ドカベンVs野球狂の詩」と題されて連載され、講談社のモーニング短期連載の「野球狂の詩VSドカベン」と出版社の壁を越えた2誌同時展開となり、チャンピオンはスパースターズ、モーニングはメッツのそれぞれのチームの視点で描かれました。野球とともに本作のもうひとつの焦点は、道場人物の結婚です。

里中と山田の妹サチコの婚約、岩鬼と夏子の復縁、殿馬とマドンナの交際などが展開され、里中とサチコの結婚式まで描かれています。

また、本作は緒方やがもん、など高校野球時代のライバルや「大甲子園」で対決した「球道くん」「一球さん」が加わり「大甲子園」に次ぐ水島新司作品の総決算と呼ぶにふさわしい作品となっています。

私が薦める理由

私がおすすめする理由に、試合の中心的な存在となった実在選手が描かれている所です。いくつかの例をあげると

SHINJI(日本ハム)外野手 2004年中盤で東京スーパースターズと対決。

1番・センターとして登場します。初回は愛車のフェラーリ2006に乗って守備位置につき、鉛筆占い(2004年お正月に現実世界の新庄が「クイズ$ミリオネア」で鉛筆を転がして1000万円を獲得した事実のオマージュ)での決め打ちで先頭打者本塁打。

その後も二塁打、守備においても超ファインプレー連発とまさにSINJOワールドを展開したが、試合は山田の逆転3ランで3体2で負けました。

2006年終盤でもスーパースターズとの対戦が描かれ、この試合では後輩森本稀哲も1番・レフトで登場、SHINJOは3番・センターとして出場し6対4で勝利をおさめます。

その後は勝利の勢いそのままの1位通過、リーグ優勝、日本一を成し遂げSHINJOはプロ野球の花道を最高の形で飾りました。

田中将大(楽天)投手 2007年のスパースターズ線では一球とバッテリーを組んで先発。山田に2000本目の安打となる本塁打を許すも、完投勝利をあげます。

まだまだお勧めポイントあります。

ダルビッシュ有(日本ハム)投手 日本のエース岩隈久志(近鉄→楽天)投手 近鉄時代の2004年、スーパースターズ線に先発します。岩鬼を三振に打ち取ったが、直後、牛虎にスイッチした。

試合は広仲が山田に逆転満塁を喰らい敗戦。2005年楽天に移籍。

スーパースターズとの開幕戦、8回2体3で降板した真田一球のリリーフとして登板。土井垣を三振に仕留め、球団初勝利をアシスト。岩隈自身はセーブをあげます。2009年の開幕戦では先発し、真田とバッテリーを組みます。

この試合で9回まで登板して完封勝利を記録、最後の打者となったのは右肩の怪我の影響で右打者として代打で復帰した山でした。

清原和博(巨人)内野手 山田にとって西武時代の先輩。2005年の交流戦で山田が先発投手を里中なのに木下と誤って伝えた為、木下が苦手な清原は5番に落とされる。その後は起こっていると見せかけて山田を威嚇、初回3ランを放つ、これが決勝打となり2体3で勝利をおさめます。

中村剛也(西部)内野手 通称「おかわり君」「お米ばっかり食べてたら太るから」と試合前にはスープを飲んでいる。

2005年には最終戦までに30本塁打を打つなどして大ブレークしたが、山田のリードによって抑え込まれる。投手が里中に代わってから、ようやくソロ打を放つものの時すでに遅く試合は5対1で敗戦します。

藤川球児(阪神)投手 阪神の守護神だが 先発で登場。2005年オープン戦では岩鬼に先頭打者ホームランを打たれています。2007年のオールスターでも先発し、江夏豊がもつ9者連続三振記録まで後一人と迫ったが9人目となる殿馬に本塁打を浴びる。次の打者岩鬼は2度目の空振り三振に取り、連続とはいかなかったが9三振を奪いました。

まだまだ、ありますが漫画ならではのエピソードが面白い「ドカベン スーパースターズ編」読んでみてください。

 

written by 就労継続支援B型事業所 ユアライフ新大阪