WBC 優勝でNPBが大リーグの”生け簀”状態に!

まずはWBC優勝はめでたいけれど

WBC2023年日本が世界一になりました! 準決勝のメキシコ戦も素晴らしいサヨナラ勝ちでしたが、やはり決勝で名だたるメンバーをそろえたアメリカに勝つなんて、夢のような話です。
しかも最後は大谷が投げて同僚のトラウトを三振に獲って勝つなんて『野球の神様』は粋なシナリオを書いたなと思います。

そんな今回のWBCの僕的MVPに推したいのは、小指を骨折しながらも出続けてくれた源田選手です。
アメリカの報道では、所属をしているチームのトレーナーが出場を許さないだろうと、源田選手の行動に驚いているというのも聞こえてきたので、やはり偉大だったのではないかと思います。

さてそんな優勝で終わった日本代表を見て、第一に思ったのが、日本人プレーイヤーの良さをまざまざと見せつけられた大リーグが日本の選手をごっそり”強奪”するのではないという危惧です。

そんな気持ちにさせてくれたのは小関順二さんの『問題だらけの12球団』を読んで、気になるフレーズがあったことです。

NPBが大リーグの”生け簀”になる!

小関さんは著書で日本の外国人選手が、2022年度でパリーグの選手で100安打を残したプレーヤーがいないことを触れ、日本のプロ野球がレベルアップしていることに言及し、逆に日本で活躍をしたマフガフやマイコラス、スアレスなどが大リーグに獲られたことに触れ『日本のプロ野球はMPBから見れば”生け簀”のようなものなのだ』と書いています。

この”生け簀”というフレーズが、どうしても今回優勝をした日本人選手たちにも当てはまるのでないかと思ってしまいます。

大谷選手の活躍もあり、鈴木誠也や吉田正人が大リーグと大型契約を結んだように、日本の選手流出が続いていますが、今回の優勝でその流れが加速するのではないかと想像します。

現に通算57勝で大リーグへ行った藤波などを見て、問題だらけの12球団では大リーグに行く投手のボーダーラインが55勝まで下がっているのではないかと書かれており、千賀も今年メジャー挑戦をするように、流出が現在進行形で進んでいると思います。

スター選手を日本で見られるのは25歳まで!

そして今永投手や山本投手なども、来年のメジャー挑戦を願っていて、ポスティングを球団が許すかどうかが焦点になりますが、ここで気になるのが山本選手の現在の年齢24歳です。

現在NPBとMLBの取り決めにより、ポスティングでの大型契約を結んでいいのは25歳以降だと決められており(なので25歳になる前に大リーグに挑戦をした大谷は、年棒は低いまま来年のFA取得で初めて大型契約を結ぶという報道がなされています)その契約のおかげで若い選手の大リーグ流出が免れていますが、逆にいえば25歳になったら、どんどんと大リーグに選手が行ってしまうというシナリオが見えてきます。

だから山本投手は来年メジャーへ行こうとしていますし、村上も現在23歳なのであと2年、佐々木朗希は21歳なのであと4年しか日本での活躍を見られないということになります。

この優勝によって加速するだろうメジャーリーグ若手選手流出、どんな凄いスターが表れても25歳までしか見られないという”現実”を野球好きの方はどう思いますか?

大谷のようにメジャーで暴れる姿を見たい、でも日本でもスターを見たいというジレンマが、僕の中でもあります。

しかし、今回のWBCで大谷が見せたように、これから国際大会で勝っていくには、メジャー選手たちの力もないと勝てないと思うので、これは仕方がない”現実”なのかもしれません。

どちらにしろ、僕たちは世界で”野球”が”ベースボール”に勝つ喜びを知ってしまったので、日本の野球発展のためにも、メジャー挑戦を温かく応援するというのが、これからの野球好きに求められているのでしょう。

とにかく次のWBCは3年後、メジャー組が増えて厚みがさらに増すだろう日本チームの連覇を今から想像するのも面白いと思います。

とりあえず現時点で、一番強い野球の国は日本だ! それを今回のWBCで証明できました、バンザイ!

written by 就労継続支援B型事業所 ユアライフ新大阪