SF特撮映画(漫画)

サンダーバード

 物心ついたころにみんながテレビで見ていたSF特撮は「サンダーバード」であった(1965年~1966年)。ジェリー・アンダーソン作。
 世界各地で発生した事故や災害で絶体絶命の危機に瀕した人々を、「国際救助隊」と名乗る秘密組織がスーパーメカを駆使して救助する活躍を描く物語である。
 出演者はすべて人形である。人形劇でありながら、細部にまでこだわった造形や洗練されたデザインの模型、ロケット噴射や車両走行中の土ぼこりの描写などリアリティを追求した特撮技術は当時としては脅威的なクオリティであり、その後の特撮作品への多大な影響を及ぼした。
 幼かった私たちもその素晴らしさに夢中になった、隣の少し年上の友人宅に行くとサンダーバード(国際救助隊)の基地の大きなおもちゃがあり物凄く羨ましかった。私には触らせてくれないので指をくわえてながめていた。近所の模型屋や駄菓子屋でサンダーバードの模型を100円にも満たない小遣い程度の安い価格で売っているのを買って満足していたのを思い出す。
 音楽もバリーグレイのダイナミックで洒落たバックミュージックやテーマソングに私たちは皆のめりこんだ。

ウルトラシリーズ

 1966年からは円谷プロの「ウルトラマン」が放送されて皆また夢中になった。本作は、怪獣や宇宙人によって起こされる災害や超常現象の解決に当たる科学特捜隊と、それに協力するM78星雲「光の国」の宇宙警備隊員であるウルトラマンの活躍劇である。作中に登場する怪獣が好評だった「ウルトラQ」に続く「空想特撮シリーズ」の第2作として、「ウルトラQ」の世界観を継承する番組として制作・放映された。平均視聴率は36.8%。最高視聴率は42.8%。海外でも1970年代から100を超える国・地域で放映されてきた。
 「ウルトラマン」の後は「キャプテンウルトラ」である。東映が「宇宙特撮シリーズ」として制作し、同社のTBS進出第1作となった、国産初の本格スペースオペラ作品である。本作品の企画のきっかけは、東映の渡邊亮徳(よしのり)がSFマガジンで小説「キャプテンフューチャー」の記事を読んだことであり、タイトルも同作品に由来している。「キャプテン・ウルトラ」の舞台は21世紀後半、宇宙開発計画の発達によって地球は「宇宙開拓時代」を迎えた。しかし宇宙に進出した人類を待ち受ける未知の危険は絶えなかった。そこで宇宙ステーション「シルバースター」所属の宇宙警察パトロール隊が編成された。ひとたび特殊銃で救難信号があると、隊員・本郷武彦ことキャプテン・ウルトラは、キケロ星人のジョー、万能ロボットのハックと共に、宇宙船シュピーゲル号を駆ってバンデル星人や様々な怪獣たちと戦い続ける。
 「マイティジャック」は、1968年4月6日から同年6月29日にかけて、フジテレビで毎週土曜20:00~20:56にて放送された円谷特技プロダクション制作の4日本のSF特撮テレビ番組と劇中に登場する秘密組織の名称である。ダイナミックな主題歌は冨田勲作曲。その後「戦え!マイティジャック」に変更したものが、同年7月6日から12月28日にかけて毎週土曜19:00~19:30(JST)にかけて放映された。
 万能戦艦マイティ号に乗り込み悪の組織「Q」の野望を打ち砕く、秘密組織「MJ(マイティジャック)」の隊員たちの活躍を描く。
 登場する搭載メカのブサ格好良さに魅了された。
 「ウルトラセブン」は、1967年10月1日から1968年9月8日まで、TBS系で毎週日曜19:00~19:30に全49話が放送された。円谷プロダクション・TBS制作の特撮テレビドラマ、および作中の登場するヒーローの名称。
 「遊星間侵略戦争の激化によって地球が多くの宇宙人に狙われている。」という設定が設けられたため、そうした宇宙人の侵略に対抗すべく世界規模の軍事機構・地球防衛軍が組織されたという設定が導入された。ウルトラ警備隊は地球防衛軍内部の特殊戦闘部隊という設定である。また、ストーリーも敵対的な宇宙人に対する諜報撰が描かれることが多いなど、軍事色が強くなっている。
 また個々のエポソードについて以下のようにドラマ性が重視されている。
:地球と宇宙都市の衝突危機という非常事態の中で、本来は悪意のなかった宇宙人との共存の道を見出せなかった悲劇を描いた第6話「ダーク・ゾーン」
・単なる宇宙人の侵略にとどまらず、地球人同士の皮相的で壊れやすい信頼関係をも風刺を交えて描いた第8話「狙われた街」。
たばこの中に地球人を発狂させて周囲の者がすべて敵に見える効果を持つ赤い結晶体を仕込み、これを吸引した地球人同士が殺し合うことで、、最終的みは地球人類が死に絶えるのを待って地球を乗っ取ろうとたくらむが、アパートに乗り込んで来たダン(ウルトラセブン)との会話を経て追ってきたダンとメトロン円盤に乗り込んで飛び立つ。しかし地球防衛軍の大型戦闘機「ウルトラホーク1号」に撃墜され巨大化する。夕日に照らされた北川町を舞台に展開されるセブンとの戦闘では、四肢を大きく振り上げる独特の走り方で交戦するもすぐに逃亡を図って飛び去るが、最後はアイスラッガー(セブンの頭に装着されたブーメ
ラン、相手を切り裂く)のよって空中で縦真っ二つにされたところにエメリウム光線を受け、爆発する。
 またメトロン星人とダン(ウルトラセブン)でのアパートでの会話ではなんとちゃぶ台をはさんであぐらをかくとう人間社会にすっかり馴染んだ姿を披露している。
 しかし、当時、海外での放映を念頭にいれれば、ちゃぶ台を挟んで宇宙人と会話することは相当勇気がなければ出来ない。
 最終話「史上最大の侵略」 では、有名な女性隊員「アンヌ」との感動的な会話が素晴らしい。
 地球防衛軍の秘密基地の模型もよく作られている。地球防衛軍の戦闘機「ウルトラホーク」の発進シークエンスは未だに色あせない。イギリスの「サンダーバード」からヒントを得たらしいが、後年「機動戦士ガンダム」の最終決戦のあった敵の基地の内部にも「ウルトラセブン」の基地と同様の設備がある。話が飛ぶが「科学忍者隊 ガッチャマン」の戦闘機「ゴッドフェニックス」が基地から発信するためドッグに海水を注入する計表の表示は、円谷プロの「マイティジャック」発進時の計器表示にそっくりである。

UFO

 その後またジェリー・アンダーソン作の「謎の円盤UFO」が1970年10月3日から1971年3月27日まで放映されてこれにまた私は夢中になってしまった。「サンダーバード」ガスーパーマリオネネーション(特撮人形劇)なのに対し、本作は俳優が演ずる実写ドラマである。宇宙の彼方からUFOで飛来する謎の宇宙人とその侵略行為を阻止する秘密組織の戦いをシリアスかつハードタッチで描く。司令官であるストレイカーを中心に、秘密組織」「シャドー」各メンバーによる異星人との戦いや、時には私生活も絡めて展開するSFドラマ。
UFOを迎撃するためのメカが明確に役割分担がされている。
 放送当時(1970年)としては近未来にあたる1980年代。物語の舞台となる地球防衛秘密組織はSHADO(シャドー Supreme Headquarters of Àlien Defence Organisation :
異星人防衛機構最高司令部)と呼ばれ、英国ロンドン郊外のとある映画会社の地下に本部をおく、シャドー最高司令官のエド・ストレイカー大佐は、表向きはハリントン・ストレイカー映画会社の専務として行動している。これは、異星人が既に地球に侵入していることを一般の人々が知るとパニックが起きかねないとの危惧から、全ての任務を極秘のうちに遂行する必要があるためである。防衛のための特殊機材を持ち込む際など、周囲からは映画のセットと思わせるというメリットもある。
 SHADOの防衛網
 SHYDOは、地球外の第1次防衛網としてコンピューター偵察衛星SID(シド Space Intruder Detector:宇宙侵入者探知機)および月面に前線基地となるムーンベースを配置。ここから発信するミサイル迎撃機インターセプターで迎撃する。ムーンベースを管制する女性指揮官エリス中尉が滅茶苦茶色っぽく小学校3年生の私は一目ぼれしてしまった。インターセプター(迎撃機)は3機編隊で行動し、各機首に搭載された核ミサイルによってUFOを攻撃する。編隊長を黒人が務めることが多く、さすが人種差別の少ないイギリスだと思うとともに宇宙人対地球人との戦いにそんなことを言ってられないスケールの大きさを感じた。ムーンベースも対空砲搭載月面装甲車ムーンサンダー他の自衛用装備を持つ。
 第1次防衛網を突破し地球の大気圏内に侵入した場合には、第2次防衛網として潜水艦と戦闘機の複合マシンであるスカイダイバーによる迎撃を行う。スカイダイバーは7つの海に配置されており、空中の敵に対しては艦首に搭載の戦闘機スカイ1」(スカイワン)を分離発進させて攻撃する。ウカイダイバー本体(ダイバー1)も水中のUFOを攻撃する能力を持つ。さらにUFOが着陸してしまった場合には、第3次防衛網としてハイテク戦車シャドーモービルが出動し、これを撃退する。
 UFO 
 UFOの飛来目的や策源地は必ずしも明らかではないが、一説として絶滅に瀕している種族ではないかとの説がある。宇宙人は優れた科学技術力を持っており、衰えた肉体の臓器を地球人のものによって代替する目的が示唆されている。後に動物や人間に精神を乗り移らせる事件が発生し、実態は精神生命体ではないかとの仮説も立てられた。人間を高圧電流を加えると爆発する体に改造したり、宇宙人の協力者に特殊な能力を与える事件等も発生した。宇宙人の肉体はそのままでは長距離宇宙旅行に耐えられないらしく、全身が緑色の呼吸可能な液体で満たされた宇宙服を着用して登場、また拉致した地球人を登場させる際にも液体づけにしたことがある。この技術は液体換気法と呼ばれ、制作当時、実際に宇宙旅行技術としてアメリカ等で検討されていた。
 UFO自体も地球の大気に長時間触れると分解してしまうという、不安定な物質を材料として造られており、飛来後はそれを防ぐために海中や湖底に潜伏、水中活動に適した形態をとる場合もある。かつて策源地を探るべく超光速通信装置を応用したカメラが用いられたが、倍率データーなどの詳細情報が受診できなかったために縮尺の評価が行えず、失敗に終わった。これは、女性の肌を超拡大画像で見ると惑星表面に見えるというシーンで説明されている。
 宇宙人による侵略の事実や対抗するSHADOの存在とその活動内容については、一般大衆のパニック防止のために全世界レベルでの機密事項とされ、上記のSHADO本部のカムフラージュをはじめ、記憶を消去する薬など多数の隠蔽工作が施されている。SHADOの機密保持を軸にストーリーが展開することも多い。

written by 就労継続支援B型事業所 ユアライフ新大阪