火車(小説) 宮部 みゆき

この小説を紹介するきっかけ

ラジオでこの小説が面白いと聞き、本屋でそく買いにいった。文庫本で700pほどあったが、2日間かけてすらすらとよめた。
宮部みゆきの名前は知っていたけれど、作品を読むのはこれが初めて。
サスペンスでありながら、経済小説。破産・家族法など法律の問題にもからんでくるのが面白い。

火車【かしゃ】火が燃えている車。生前に悪事をした亡者をのせて地獄に運ぶという。
       ひのくるま
と、見開きページにある。
1994年、2011年テレビドラマに、韓国で映画化にもなった。
ドラマ再放送されないかな!
小説の舞台
東京
大阪
三重県伊勢市
名古屋など

ここがポイント! 大阪の描写についてが面白い!

「東海道新幹線で新大阪駅へ。駅から五分ほど歩いて御堂筋線に乗り換え、大阪市の中心部を南北に縦断するこの地下鉄に揺られること二十分ほどで、難波駅に到着する。買物好きの女性でも、ここを全部探索するだけで二日はかかってしまいそうな広い地下街を通り抜けて地上に上がると、煩雑で猥雑で、ごった煮のような繁華街へ出る。真新しく、洗練された美しい地下街と、この地上の町との関係は、ちょうど、玉の輿に乗った美しい娘と彼女の生家とのそれに似ているようだ。」
『大阪って街は、面白いね。東京とはまったく別の次元にある都会だという気がした。実に無駄がないし』
『無駄がない?』
『うん。東京だと、日本橋あたりでも、インテリジェント・ビルでございます然とした企業のビルと背中合わせに、二階建てのしもたやが残ってたりするだろ? それが、大阪にはないんだ。ここは商業地だといったら、どこまでも徹底的に商業地なんだな。そのくせ、そういう中心地のなかで、通り一本渡ると、怪しげな歓楽街があったりする。ついこのあいだここでヤクザの発砲事件がありました、というような』

ここがポイント!
最後まで結末がわからない。最後の1pまで飽きさせない。
ここがポイント!
登場人物が多いのであらかじめウィキペディアで人物を確認すると混乱しないかも。
参考までにあげておくと
本間俊介 42歳。捜査一課刑事。休職中
本間智 10歳。 俊介の息子
本間千鶴子 俊介の妻
井坂恒男 本間家の隣人
カッちゃん 智の同級生
栗坂和也 29歳。千鶴子のいとこの息子。銀行員
碇貞夫 42歳。俊介の同僚
関根彰子 本物の関根彰子。スナックに勤務したことがあり、自己破産した経歴があった。
新城喬子 偽の関根彰子。婚約者を残し失踪した。自身は父親が遺した借金によって取り立て屋に苦しめられ、売春の強要をされた。悪状況から脱却するため自分と近い境遇の人間に成りすまそうとしていた。
野村一恵 本物の彰子の同級生
本多保 本物の彰子の幼なじみ
本多郁美 保の妻
関根淑子 彰子の母、故人。宇都宮市に在住していたが転落死した。
溝口悟郎 関根彰子の破産手続きをした弁護士
今井四郎 今井事務機の社長
みっちゃん 今井事務機の事務員
澤木 溝口・高田弁護士事務所の事務員
青年 溝口・高田弁護士事務所の事務員
井坂久恵 43歳、恒夫の妻、デザイナー
片瀬秀樹 下着通販会社ローズライン管理課課長補佐。新城喬子と交際していたが、新城喬子の他人になりすますという野望のため体よく利用されていただけだった。
須藤薫 喬子の友人
木村こずえ 22歳 フリーター
倉田康司 喬子の別れた夫
市木かおり 喬子の元同居人
雑誌記者 本間の知人
宮城富美江 彰子の知人
紺野 喫茶バッカスの知人
紺野明美 紺野の娘
紺野信子 紺野の妻
宮田かなえ 美容室ロレアルサロンの従業員
ママ ライハマのママ
菊池 ライハマのバーテン
マキ ライハマの店員
北村真知子 理学療法士
境 宇都宮署の刑事
加藤 倉田不動産社員

おわかりいただけただろうか、これだけの人物が登場してくるのである。

あらすじ

刑事・本間俊介は、犯人確保時に負った傷のため休職していた。そんな彼に、亡くなった妻・千鶴子の親戚で銀行員の栗坂和也が意外な事を頼み込む。謎の失踪を遂げた和也の婚約者・関根彰子を探し出してほしいという。

和也の話によれば、クレジットカードを持っていないという彰子にカード作成を薦めたところ、審査の段階で彼女が自己破産経験者だということが判明した。事の真偽を問い詰められた彰子は、翌日には職場からも住まいからも姿を消していたとのことだった。

休職中で警察手帳も使えない本間は、彰子の親戚や雑誌記者を装って捜査を開始する。最初に彰子の勤め先を訪ね、社長から彰子の履歴書を見せられた本間は、写真を見て彼女の美貌に驚く。美しいながら、夜の仕事には染まらない清楚な雰囲気が漂っていた。次に、彰子の自己破産手続きに関わった弁護士を訪ねたところ、「関根彰子」は会社勤めの傍ら水商売に手を出しており、容貌の特徴は大きな八重歯だという。勤め先の関根彰子と自己破産した関根彰子は、名前が同じながら容貌も性格も素行も一致しないのだ。

本間は和也の婚約者だった「関根彰子」は、本物の関根彰子に成りすました偽物ではないか言う疑念がわく。

調べを進める本間は、都会での1人暮らしの夢からカード破産に陥る女性や、無理なマイホーム購入で離散に陥った一家、実家の借金が原因で追い詰められ、婚家を去らざるを得なかった女性など、借金に翻弄される人生を目の当たりにする。

まとめ
借金にまつわる社会の闇を鋭く描く、ミステリーサスペンス小説。宮部みゆき作品を読むなら、まずはこれでしょう!
参照文献 Wikipedia 火車(小説)

weitten by 就労継続支援B型事業所 ユアライフ新大阪