止まらない若者の野球離れ
若い人の野球離れが、ひどいらしいです。高校野球をやる生徒は、ここ10年間で半減しているらしく、少子化のせいにも、サッカーの競技人口はあまり減っていないことを考えると、そればかりのせいにはできず、とても危機感を感じます。
なぜこんなにも、野球をする若者が減ったのでしょうか。
丸刈り、先輩との上下関係の厳しさ、監督のパワハラ、しごき練習の厳しさなど、今の若者が嫌いそうな要素を高校野球はまだ払拭しきれていないということでしょうか。
こんな現状が続き、若者の野球離れが進むと、ひどい状況が二つ膨らむと思っています。
一つは野球のレベルの低下です。野球の人口そのものが減れば、必然的にレベルが落ちていく。その結果、レベルの低い野球なんか見たくないという人が増えていく。それが野球人口を減らしていき、またレベルが落ちてゆく。
そんな負のスパイラルが起こりそうで怖いです。
高校野球が夢がなくなる
もう一つ野球の若者離れが進むと、持ち上がってくるのが、強豪校ばかりが甲子園に出て優勝するという、現在もう問題になっていることが、加速しそうだということです。
野球をする子の数が減って行く以上、残された人材を私立の強豪校が狙って獲っていく。結果、公立校などは甲子園に出ることが夢のまた夢となって、モチベーションが下がっていく。なので、公立などでは野球をやる子が減って行き、すなわち野球をやる子が減っていく。
この現象は、もう始まっていると思います。毎年、大阪桐蔭ばかリが優勝をして、他の高校の子たちの甲子園で勝つという夢を奪っていっていると思います。
世の中弱肉強食なんだから仕方がないんだと片付けることもできるかもしれませんが、やはり甲子園は日本の野球にとって欠かせない存在。なのに勝つのは強豪校ばかり。
甲子園での東北の初優勝はいつになるのか。この野球人口少子化を見ていると、遠い夢なのかなと思い、胸が痛くなります。
改革は少年野球から
この野球少子化問題。解決の道は、特効薬はないと思っています。日本の少子化は止まらないし、格差問題で貧困の人達が増えている以上、プレーするのにお金がかかる野球をする子が減って行くのは、どうしようもないのかもしれません。
それでも、コツコツとした改革を始め、若者の野球のプレー人口を増やしていくしかありません。
とにかくリトルリーグぐらいの子たちには、指導者はやめないように優しく接する。
そして高校野球は、丸刈りなんて古い体質をやめ、とにかくプレーをする楽しみをもっと勝利主義より高めていく。
さらにプロ野球は、球団拡張を行って、地域密着型の新しい野球文化を作っていく。
こうした改革を始めていかないと本当に野球人気の低下は止められないと思います。
僕は高校野球を含めて、日本の野球が大好きです。そんな仲間が一人でも多い方がうれしいので、ぜひ野球に関わる全ての方々は、若い野球人は宝だと思って、接して欲しいなと思います。