送りバントは意味がない! 統計学で野球を見ると

送りバントは意味がない!

統計学で野球を切るという本『統計学で解明! 野球の疑問』という渡邊成行さんが書いたのを読んだのですが、なかなか日本の野球に見慣れてしまった自分にとって、目から鱗が落ちる内容だったので、一部を紹介したいと思います。

アメリカ式のセイバーメトリクスの奥深さが分かる、まず送りバントについて本に書いているのですが、ランナーをスコアリングポジションに送るという行為と、アウトを一つ重ねるということを天秤にかけると、アウトを増やす事の方が、重いことだそうです。

そうなのです。やはり統計学的に見て、送りバントという作戦は、意味のないものだと断定をしています。大量得点を逃す作戦だとして、アメリカではあまり使われない作戦のようですが、日本の送りバンドをする作戦に慣れている身としては、ちょっとショックです。

ただ、送りバントが有効になるケースとしては、1、相手がエース級のあまり点の取れない投手だということ。2、ランナーの足が速い。3、バッターが送りバントが上手い。その三点がそろった時にまず一点を取りに行くという面において、初めて作戦として意味が出てくるそうです。

さらに日本では長打力のあるバッターはメジャーよりも少ないので、日本においては作戦として一理ある部分もあるようです。

しかし、やはり27個しかアウトを相手に渡せない野球というスポーツにおいて、送りバントという作戦は統計学に見て不利なようです。ショック!

打順の関係も意味がない!

またこの本では打順においての考察も書いているのですが、結論から言うと、一番いい打順に並べたケースと、一番不利になる打順で考えたケースを比較すると、シーズンでたった2敗分ぐらいの差しかないようです。

日本の四番最強説やメジャーの二番最強説など色々と言われていますが、打順はあまり関係がないと言われると、日々打順で悩んでいるであろう監督の思いをくみ取ると、なんだか可哀そうな気もしてきます。

ただ理想の打順として、一番には出塁率が高い選手を、長打力の高い選手は中軸に置いた方が、得点が高くなるというのは、いつも見ている野球と一緒なので、ふに落ちる部分はありますが、それも2敗分しか変わらないとなると、驚きを感じます。

統計学の非情さ恐るべき!

野球はホームチームの応援も関係が薄い!

そしてこの本で個人的には一番ショックだったのは、ホームチームの有利さが野球では、他のスポーツ、サッカーやバスケットボールに比べて、少ないというデータです。

著者はホームチームによる審判の主観的判断の関わりが多いスポーツの方がホームチームに有利が要すると書いていますが、野球だと54%ぐらいの勝利差ぐらいしか、日本でもメジャーでもないとデータに出ていると書いています。

要するに、ホームでの大声援があったとしても、野球ではそこまで関係がないということです。これはショックではありませんか。我々の声援がチームの勝利に結びにくいスポーツ、それが野球なのです。これは残酷だ!

このように統計学という冷静な物差しで測ると、野球はまだまだ見えていない『真実』があるようです。

ただ、どうやら野球は数字のスポーツと呼ばれているぐらい、データが数値化されて出てくるので、統計学と相性がいいようです。

将来マネーボールみたいに弱小でも、データによって強豪になるというチームが日本でも生まれるかもしれません。その日が来るまで、ファンも勉強しないといけませんね!

written by 就労継続支援B型事業所 ユアライフ新大阪