火災保険の請求編

火災保険の請求

 代理店では天災の請求が多かった。特に風災が多く、台風が来たら、現場に確認に行くのは保険会社の調査員に任せるようにしていた。ただ屋根が剥がれていたりしたら、屋内に雨水が流入するため、建築会社にビニールシートを張ってもらって写真を撮ってもらって請求時の証明にし、保険会社と打ち合わせながら迅速な支払いができるようにしていた。中には屋根の上に乗って写真を撮る強者の奥様もいてたまげたことがある。
 あとは地震である。これも風災と同じ、まずは保険会社と相談しながらだが、各社が地域を分担して調査に回る。ただそれまでに事故受け付けをしておかねばならない。被害を着実に見つける必要がある。見落とすと後ほど面倒なので、保険支払いの対象になりそうな案件は保険会社に報告しておいた。

火災保険の件数

 火災保険で火災は在任中は二三件しかなかった。
 意外と多かったのは破損・汚損である。家財、建物を問わず小規模な事故は多く発生し、落書きや悪戯、うっかりした汚損、破損は頻繁にあった。パチンコ屋などでは玉が出ない腹いせに便器を壊したり落書きをしたりでその処理で振り回された。請求額が少額だから店の担当者が落書きを消してくれて請求しないケースもあった。ひどかったのは腹いせにパチンコ店のガラス越しに物を投げこまれ保険金を支払った事件。加害者は警察に捕まっているのである。保険会社は被害者であるパチンコ店に保険金を支払い加害者に保険金額を請求した。しかし加害者は請求に応じず、保険会社の担当者を困らせた。警察は民事不介入でその後の事故対応を加害者に聞くくらい。なんとかならないのかと思っていたが、そのまま事故は立ち消えになってしまった。

ひび

 別件で建物にひびが入った事件。破損で神戸の物件の写真をストリートビューで確認したら購入前にひびが入っていたのを私が見つけて請求を止めたことがある。

written by 就労継続支援B型事業所 ユアライフ新大阪