漫画 定額制夫の「こづかい万歳」

 おこづかい足りてますか?そんな皆様方に是非とも読んでいただきたい漫画。

「おこづかい、もっとちょうだい!」・・・ドキュメント漫画家・吉本浩二が叫ぶ。45歳、月額2万1千円。1万円は大好物の「おかし」に使いたい。子供におもちゃをねだられたらおしまいだ。そして、悩ましくも楽しい「おこづかい」との攻防戦が始まった。
全国の「おこづかい生活」を営むすべての「定額制夫(ていがくせいおっと)に贈る
吉本浩二流「おこづかい漫画」

漫画との出会い

ひさびさに面白い漫画と出会った。きっかけはテレビの紹介だったのだが、すぐさま、本屋へ直行。2巻と3巻を手に入れた。売り切れていた1巻は後にAmazonで注文。
お金絡みの漫画で言うと「なにわ金融道」、「ミナミの帝王」、「カイジ」と並ぶ傑作だと思う。ただ、これらの漫画と違うのは、人物設定が普通のサラリーマン(主人公は漫画家だが)や主婦であることである。
エピソードの最後に出てくるおこづかいの金額とその内訳の円グラフがリアルで面白い。
漫画なのに、ほぼノンフィクションだと思わせる場所の設定や子供の頃の話。
漫画の特徴は場所や背景、内訳を丁寧に描いていることだ。例えば車が出てくるシーン「ホンダ・ステップワゴン」車好きの私としたら、たまらない描き方だ。
そして主人公、登場人物の表情がまことにゆたかである。
それ以外でも、コンビニ・「セブンイレブン」、スーパー・「イオン」など実に丁寧にえがいている。また、外出先仕事場編で、出てくる「がすと」、「ドトール」、「ベローチェ」などの外観も実にリアルである。
主人公が食べるおかしのパッケージも丁寧に描かれている。
そしてところどころ出てくる表、エクセルで分かりやすく作って読者にこれでもかというぐらい訴えかけてくるものがある。例えばイオンのカード編、主人公は化学の元素記号か?
と驚いていたが、びっちりとカード種類とポイント一覧を描いている。
自作酒編では、1年の周期を通して何をどのタイミングでつけるといいかわかりやすく円グラフにしてある。酒飲みにしたら、これは便利である。

作品を通していえるのは、金儲けの漫画でもなく、節約の漫画でもなく、あくまで限られたおこづかいをいかに有効に使うかが描かれている。サラリーマン、主婦、独身、さまざまな人に参考になるのでは。主人公が登場人物に「こづかい制の人みんなに聞いているんですが毎月のこづかいはいくらほど?」と尋ねるシーンは毎回見どころである。

登場人物

吉本浩二(よしもと こうじ)
主人公。漫画家であり、作者である吉本自身。こづかいは2万1000円。
自宅で仕事をしているため、昼食代はこづかいに含めない。酒は飲まずお菓子が好きで、バイクとレコードが趣味。
吉本の妻
こづかい7000円。夫と違い酒が好きで毎晩焼酎で晩酌している。たまに日高屋に行くのを楽しみにしている。
筒木剛(つづき つよし)
妻のママ友の旦那。こづかい2万円。昼食をコンビニのパンや業務スーパーのお茶、野菜ジュースにすることで節約をしている。月に数度の晩酌が楽しみ。
工藤静男(くどう しづお)
近隣住民。こづかい2万円。Pontaポイントを貯めるのが好きで、おさいふPontaを使用している。月に一度スーパー銭湯でリフッレシュしている。
おさいふPontaの終了後は携帯会社をauに変え、Pontaポイントを溜めている。
佐野修司(さの しゅうじ)
通りすがりのバイカー。こづかい2万5000円。バイクが好きで、自分で弁当を作って節約している。月に一度のツーリングを楽しみにしている。
村上久美子・誠(むらかみ くみこ/まこと)
こづかい2万4000円。夫婦で節約をしており、節約額で競争をしている。ジョギングと温泉が趣味。
村田克彦(むらた かつひこ)
吉本の同級生で、名古屋在住。こづかい1万5000円。昔は5万だったが、制限がある方が楽しいという理由で自主的に減らした。
駅構内で酒を飲む行為を「ステーション・バー」と呼び、好んで行っている。
山崎あみ(やまざき あみ)
吉本の妻の同級生。こづかい額は不明(推定6500円)。果実酒の自作が好きで、夫と居酒屋ごっこを行っている。
谷 健(たに けん)
静男の後輩。こづかい0円。10年以上前からこづかいを貰っておらず、欲しいものがあまりないと話している。お菓子作りや市民プールにいくのが趣味。
真田一郎(さなだ いちろう)
地元民。こづかいは5万円。野草を採ったり家庭菜園をしたりして節約している。趣味は釣り。
石井力(いしい りき)
出版社の編集長。こづかいは3万7000円。自分の書斎を娘の部屋にしたため、車を部屋にして菓子をたべたりドラムを演奏したりしている。
すみれちゃんのパパ
娘と同じ幼稚園に通うすみれの父親。こづかい2万3000から2万4000円。
フリーランスのシステムエンジニアで、カフェやファミレスで仕事をしているノマドワーカー。
朝に頼んだモーニングセットを取っておいて昼食にしている。

とにかく話題の漫画、読んでおいて損はない。

参照 Wikipedia 定額制夫の「こづかい万歳」~月額2万千円の金欠ライフ~

written by 就労継続支援B型事業所 ユアライフ新大阪