「クラブミュージック」とはどんな音楽?
ぼくは、DJをやっています。
そして、ユアライフ谷9で「DJ研修」というレクリエーションを担当しています。また、大阪市内のDJバーで月1回、プレイをしています。
DJといっても、ラジオなどでしゃべるDJでなく、ハウスミュージックというジャンルの音楽を中心にいろいろな音楽を切れ目なくつないでかけていく、ということをするDJです。
世の中では「DJ」というと、先日の東京オリンピック閉会式でも見られたように「ヒップホップをかけながらスクラッチをやる人」、もしくは「バンドなどのバックにいてターンテーブルをいじっている、何をやっているのかよくわからない人」というイメージがあると思いますが、ぼくはそのどちらともちがうDJです。
しかし、実はぼくのやっているようなのが、歴史的にはいちばん古くから存在している、長い伝統をもつDJのスタイルなのです。
この記事では、その「ハウスミュージック」とはどんな音楽か、そしてハウスミュージックのDJとはどういうことをしているのか、その二つを中心に書いていこうと思います。
まず、ハウスミュージックがどんな感じの音楽か、定番と言われる代表的な曲をいくつか聴いてみましょう。
Todd Terry – Keep on Jumpin'(Tee’s Freeze Mix)
Hardsoul feat. Ron Carroll – Back Together (Classic Mix)
Frankie Knuckles – The Whistle Song
いずれも、キック(バスドラムのことをDJの世界ではこう呼びます)が各拍の頭に入ってリズムを刻んでいく、いわゆる「四つ打ち」と呼ばれるリズムが特徴的な音楽です。ディスコと似た感じだな、と思うかたもいらっしゃるかもしれませんね。そう、ハウスはディスコの音楽を先祖としています。
かんたんにいうと、ディスコとディスコミュージックが1980年代後半以降、クラブとハウスミュージックに進化していったのです。
この四つ打ちリズムにしてしまえば、基本どんな曲でもハウスにすることが可能です。なので、ふつうのポップソングをハウスにした曲も数多くあります。
こうしたハウスにするアレンジのことを「ハウスリミックス」といいます。リミックスは、ハウスやクラブミュージック全般において、とても重要な音作りの手法です。
このようにハウスとは、どのような音楽も飲み込んで自分のものにしてしまうことのできる、多様な要素を持っている音楽です。そこがハウスミュージックの魅力なのです。
ハウスDJとは?
それでは、ハウスミュージックの世界でのDJとは、どんなことをしているのでしょうか。
いろいろな曲を次々につないでいき、それによってある流れやムードを作っていく、というのがDJの役目です。
ヒップホップやアニソンのDJとちがうのは、ハウスミュージックの曲では1曲の演奏時間が5分~10分と長めの曲が多く、そのような長めの曲を少しずつ徐々に音量バランスを変えてミックスしていくのがハウスDJの演奏スタイルの特徴だということです。
1曲1曲が急に変わるのではないため、聴きなれている人でないと曲の変わり目がどこからかよくわからないことも多いです。
そうした演奏スタイルによって、ハウスDJは1回にだいたい1時間~2時間以上のプレイをすることが普通なので、聴き手にはあたかも1時間や2時間もの起承転結のある長い1曲を聴いているかのように聴こえます。
この「いろいろな曲を使って起承転結がある長い1曲であるかのように聴かせる」ことが、ハウスDJの腕の見せ所です。
ハウスDJは、起承転結をうまく作っていくことで、クラブに来たオーディエンス(聴衆、お客さん)をどこまでも遠くまで音楽の旅に連れて行ってくれるのです。
ご参考に、ぼくの好きなハウスDJがプレイしている映像を紹介しておきます。
フランソワ・K
Kaoru Inoue
ハウスミュージックとは音楽の旅
上記のDJが実際にプレイしている映像と音とを視聴すれば感じていただけると思いますが、ハウスミュージックってすごく幅が広くて奥が深いでしょう?
ハウスミュージックのDJって、一人でオーケストラと指揮者ができるのと同じような音楽体験をオーディエンスにもたらすことができるんです。それがハウスミュージックが1980年代から生まれて、現在まで長く多くの熱心なファンを獲得し続けている理由です。
あなたも、もしこの記事を読んでくださって、またここで紹介した曲やDJのプレイを視聴されてハウスミュージックに興味をもたれたなら、ぜひもっと深くハウスの世界に足を踏み入れてみてください!
ぼくのDJ研修に参加くださるのも大歓迎です。
そして、DJバーやクラブに足を運んでみてください。きっといままでにない新しい体験ができますよ!
それはハウスミュージックとともに行く、新たなる音楽の旅なのです。