俵万智「未来のサイズ」をおすすめします

俵万智の最新歌集について

第一歌集「サラダ記念日」で280万部もの大ベストセラーを出し、華々しくデビューをしたことで有名な歌人、俵万智の最新歌集「未来のサイズ」について今回はおすすめしようと思います。

『ネットでは選べぬ文具があるからと出かけてゆきぬ子はマスクして』
『目に見えず生物でさえないものを恐れつつ泡立てる石鹸』

こういったコロナ化真っ只中の2020年の時代から始まり、2016年から2019までを、沖縄の石垣島での生活から、息子の全寮制学校への進学と共に、宮城県に移り住むまでを追った、まるで他人の日記を見ているかのような気にさせてくれるような歌集になっているのが「未来のサイズ」です。

「未来のサイズ」の良いところ

「未来のサイズ」で惹かれる歌は、息子のことを歌った首です。

『手伝ってくれる息子がいることの幸せ包む餃子の時間』
『制服は未来のサイズ入学のどこ子もどの子も未来着ている』

俵万智らしい口語調の柔らかい調べで語られる歌たちは、とても幸せに包まれていて、読んでいるこちらも心が柔らかくなるような気分にさせてくれる首です。

そんな中でも僕が一番惹かれた歌がこちらです。

『子のために願うことなかれ願うとは何かを期待することだから』

普通、母親は息子に対して、愛情から大きな期待をしてしまいがちです。僕自身も母親から期待をされ、それに答えられずに苦しんだ経験が、思い出というか今でもあります。

そんな親が子に対してしてしまいがちな期待をかけるということを、俵万智はいけないことだと歌っています。
これは一段階上の深い愛情を感じます。
私は期待もしないよだから自由に生きて、そのようなメッセージが現れているような、俵万智の母親としての生きざま見た気がします。

俵万智の現状について気になるところ

こんな歌たちを見ていて、僕は「サラダ記念日」のころから腕が全く落ちていないなと感じるのですが「未来のサイズ」が爆売れしているというニュースを見たことがありません。もしかしたら、最新歌集が出ていることすら知らない人が多いのかもしれません。
これは一体どういうことなのでしょうか。

「サラダ記念日」は男女の恋愛を歌った歌集。そして不倫をテーマにした第三歌集「チョコレート革命」は百万部を超えるベストセラーになりました。
しかしその後の子供が生まれたことを中心に歌った第四歌集「プーさんの鼻」石垣島での子育てを歌った「オレがマリオ」そして今回の「未来のサイズ」はベストセラーにはなっていません。

恋愛や不倫には興味あるが、他人の子育てには興味ない。まるで大衆の趣味が露呈しているかのようで、僕は恐ろしささえ感じます。

少子化で子育てをする人自体が少なくなってきているせいか、興味を引く人口自体が減っているというのもあるでしょうし、そもそも幸せな(俵万智はシングルマザーで育てていて、父親を公表していないという、ちょっと普通の子育てとは違うとも思いますが)他人の子育てなんか興味持てないと思っている人が多いのかもしれません。

どちらにしろ、少子化対策が叫ばれている昨今、子育てに関する本がもっと売れてもいいのではないかと思いつつ、自分の身を振り返ったら40代独身の僕という現実があります。

やはり未婚率が高まっている日本という現状では、俵万智の子が生まれた以降の短歌は響かないのかもしれませんが、そこは天才、俵万智。
子育てを終えた以降に、なにか改新のヒットを打つかもとも思いいつつ「未来のサイズ」もおすすめしたいなと思います。

weitten by 就労継続支援B型事業所 ユアライフ新大阪