木下龍也 短歌の魅力について

情熱大陸にも出た有名歌人木下龍也

木下龍也は情熱大陸に紹介されるほど今勢いがある歌人で、作風は完全口語調の短歌を詠んでいます。

『救急車の形に濡れていない場所を雨は素早く塗り消してゆく』
『あの虹を無視したら撃てあの虹に立ち止まったら撃つなゴジラを』

このような完全口語調の歌を歌っているのは、1980年代に俵万智が口語調と文語調をミックスした短歌で評判を出た以降、穂村弘、枡野浩一といった歌人たちが完全口語調で頭角を現したのですが、その完全口語調がもうすでに歌壇の中でも常識になっていっているのだと感じさせるのが、木下龍也です。

木下龍也は短歌を始める前にコピーライターを目指していたということもあり、前に紹介したようなキャッチーな歌が多く、普段歌集なんて読まないという人であっても抵抗なく読める歌人なので、第一線の歌人が読みたいという方にもおすすめです。

そんな木下龍也は何と、有名な新人賞を取ったり、結社に属していたという経歴はなく、新聞や雑誌の投稿欄に作品を送り続けて有名となり、プロの歌人となった人なので、どこか大喜利に答える芸人みたいな器用さを持つ歌人で、その力は現在新しい活動内容をおこなっていることに繋がります。

個人に向けてオーダーメイドの短歌を詠む木下龍也

現在木下龍也はBASEというサービスを使って、個人からオーダーに答えて一首作り、それを他の媒体では公表しないという、オーダーメイド短歌といった感じの活動をしていて、そこで賃金を得ているということをしています。

例えば『変化を恐れることをやめたい』というお題に対して『どこでも行けるあなたの船なのに動かないから棺に見える』といった短歌を作り出しているのです。

こうして個人用に作られた短歌は、オーダーの人がどうしようか勝手にしてもいいという方法を取っているので、短歌に関わらず、表現者としても大勢の人を狙わないというのが異質です。

そして何よりどんなお題に対しても、お金を払った相手を納得させるだけの歌を作れる、まさに大喜利王のような器用さが、他の歌人とも比べても抜きん出た才能を感じます。

天才による凡人のための短歌教室

そして、最後に木下龍也の短歌入門書『天才による凡人のための短歌教室』について触れたいと思います。

この本のはじめに、僕は天才ではない、と触れていますが、タイトルからも見ても短歌の天才が凡人の読者にアドバイスをしている本です。

その本には『書を捨てず、町へ出よう』『目を閉じて、よく見ろ』『死をいじくりたおせ』『神をいじくりたおせ』『群れるな』といったキャッチーな目次が並んでいて、僕みたいな凡人としては真似できないとさじを投げたくなります。

しかし『たくさんつくれ』といったアドバイスもしていて『投稿で負けまくれ』のところでは、一首採用されるまでに九首の失敗作を作り出していたと触れていて、とにかく人生はトライ&エラーが大切なんだなと、凡人にもマネできるテクニックを教えてくれています。

このような才能を持つ木下龍也は詩人の谷崎潤一郎とも親交があり、実はポスト俵万智というより、ポスト谷崎潤一郎なのではないかと期待している歌人です。

なので、歌集なんて読まないよなんて言う人ほど、勧めたい歌人が木下龍也です。

written by 就労継続支援B型事業所 ユアライフ新大阪