キンコン西野『新世界』『ゴミ人間』を読んで

新しすぎた?西野さんの考え方

キングコングの西野さんがテレビから姿を消して、絵本作家になっているということは知っていたのですが、西野さんが口にしていた「これからはテレビの知名度より信用を得ることの方が大切だ」という発言がいまいち理解できず、気になる存在でした。

そんな西野さんのことを知るために、正月休みに図書館で借りて西野さんの著書『新世界』『ゴミ人間』を読んだのですが、なるほどそういうことかと納得がいくことが書かれていたので、今回はそれを紹介しようと思います。

西野さんが何よりも大切にしているのが『信用』です。信用さえあれば、クラウドファンディングでお金を集めることができて、新しい事業をすることができると書かれていて、納得がいきました。

その信用を得るためには、何より嘘をつかないということが大切だと、西野さんは述べています。

例えば、テレビに出ているタレントさんは、スポンサーの意思に逆らうことができず、時にして別に大した物ではなくても素晴らしいと、番組内で嘘をつかなくてはいけないので、西野さんが言う『信用』を失っている状態だと思っているようです。

なのでテレビに出なくなったのだというのは、新しい発想だなと思いました。
その辺は西野さんは徹底していて、自身のメルマガでは一切広告のバーを出していないというのは、広告まみれの世の中では斬新なアイデアだなと感心しました。
西野さんはこれからのタレント業界に、新しい一石を投じている存在だと言えるでしょう。

西野さんを新しい道へ進む決断をしたことについて

西野さんは芸人時代にひな壇番組には出ないと決めて、あらゆる芸人さんから苦言や揶揄をされることになったことがあります。

ひな壇に座れば笑いをとっても司会者の手柄になるから、それではいつまでたっても天下は取れないと思い、そのような態度を取っていたようですが、仲間だと思っていた芸人さんからはバッシングの嵐。

それで悩んでいた西野さんを救ったのは、タモリさんの「お前は絵を描け」という先見の明がありすぎるアドバイスでした。

それで最初は一人で、ボールペン一つでコツコツと絵本を描くようになったのですが、ある日こう思ったようです。
なぜ絵本作家は一人で描かなければならないのか?と。

人間得意不得意ジャンルがあり、絵の世界でもアニメのようにキャラクターを描くのが上手い人と、背景を描くのが上手い人は分かれています。ならば絵本の世界も分業制がいいのではないかと発想したのですが、その時なぜそうなっていないのかと考えた結果、出た結論が、絵本は1万部売れればヒット作というぐらい、キャパが狭いということです。

売れないのならば、一人で描くしかない。ならば逆転の発想で、まず金を集めてみんなで描けるようにしよう。そう決意をした西野さんは、当時まだ新しかったクラウドファンディングで資金を集め、みんなの力で完成をさせたのが、映画化もされた『えんとつ町のプペル』だったということです。

困難があれば新しい道を考える。それが西野さんの考え方のようです。

ディズニーを超える発言について

あと西野さんの有名なフレーズとして「ディズニーを超える」と言っていることについてですが、これは最初テレビで聞いた時、素直に風呂敷を広げ過ぎていると思いました。

しかし『新世界』を読んで、最初からディズニー以下のモノですと作品を発表することの方が、お客さんにとって失礼なのではないかとの考えが書いてあり、それはその通りだなと思いました。

芸人時代のひな壇に出ないということや、ディズニーを超えるんだという発言だけをピックアップして聞くと、確かに風当たりが強くなるのも当たり前だなと思っていましたが、著書を読んで西野さんは正しく新しい『芸人』なのだなと認識を改めました。

モクモクと煙だらけで星が見えない町に住んでいるプペルは、バッシングの嵐の中でも夢を見続けいる自分を掛け合わせた作品だと、書いています。

正直、著書を読むまでは、西野さんに対してはあまりいい印象を持っていなかったのですが、読んで考えが変わりました。

他人から鼻で笑われようとも、自分の信じた道なら進む。そんな男気を感じる人が西野さんなんだなと、今は思っています。

written by 就労継続支援B型事業所 ユアライフ新大阪