YUMEJI展に行ってみて
この前、友達とあべのハルカス美術館に行きました。YUMEJI展が開かれていました。
竹下夢二は、岡山県の出身でした。
大正浪漫を代表する詩人画家です。
特に夢二式美人と称する抒情的(じょじょうてき)な美人画が有名です。
最初に目を引いた作品は、【林檎】という作品です。
縦に長い布を活かした構図だと思いました。
背の高い林檎の木と実が丸く赤々と描かれていました。その前に立つ女の人のほっぺたが赤くなっているのが印象的でした。
女の人は、若くて普段から働き者だけど、この時だけはちょっと仕事せずに被写体になっている様な感想を持ちました。それが、とても恥ずかしいと思っているだろうか?と思ってしまう絵でした。
次は、布帯に描かれた【いちご】という作品を紹介します。
お店かなんかの垂れ幕に使うのかと思うようなイチゴが描かれた作品でした。
作品を見る前は、大正時代に描かれた作品なので今より地味なデザインなのかなと思っていましたが、全くそんなことは無く、むしろ可愛いデザインで新しいデザインとして出だしたとしても、今注目されそうだと思いました。
イチゴの赤さ加減が程よい可愛いと思える濃さで、何個かのイチゴの配置がぴったりでした。
三つ目に紹介するのは【アマリリス】です。
黒色の背景と赤いアマリリスの花がコントラストになっていて、とても映えます。
女性が座って本を開いているのと、黒め着物と赤い襟の姿の構図が女性の賢さを表現出来ていると感じました。
夢二がどういう意図で描いたかは分かりませんが、只、色使いがとても良いと思いました。こちらの作品の赤色は重厚感を感じられる赤でした。
【林檎】、【いちご】と又違った、赤色の印象を受けました。
【林檎】は、初々しさの印象で明るい赤。【いちご】は可愛さ全開の印象の赤。
【アマリリス】は、シックの印象での赤。みたいな所でしょうか?
最後に紹介する作品は、【秋のいこい】です。
この作品の被写体は、大正時代にあったモデルを借りて描くというやり方で描きました。
有名なモデルさんだったみたいでなんだか料金が高そうな気がします。
カメラで夢二が撮って、その後描くという順番で作品を仕上げたそうです。
秋の木をバックにしてベンチに座っている着物姿の女性を描いていました。
これは、先程紹介した【林檎】と比べると対照的な女性像を感じさせます。
【林檎】の女の人はあどけなさがあったのに対し、【秋のいこい】の女性は凜としていて職業婦人の凜々しさが感じられます。
どっちが良いとかそういうことでは決して無いです。只、こんなにも違う印象を受けるのはやはり題材に合った人材で夢二が選んだというのが計算されているというかしっかり考えて作品を描いているので、さすがだなと思いました。
全体の感想
竹下夢二の作品を観て全体の感想は大正時代のハイカラに上手く乗れた作品達だと思いました。今でも観ていて良いなと思う作品の数々でした。
あとは、不倫をしていたなどの当時の芸術家あるあるな私生活も時代らしさを感じました。
参考文献:あべのハルカス美術館の出品リストと夢二郷土美術館のパンフレット。
いかがでしたか?
今回も楽しんで頂けましたか?
少しでも楽しんで頂けましたら幸いです。
読んで頂きありがとうございました。