倉俣史郎展 京都にて

倉俣史朗さんの代表的な作品とは?

この前、京都に出かけた際偶然【倉俣史朗】の展覧会がありました。
【NHKの日曜美術館】という番組で紹介されいてたデザイナーの一人でした。
「あ、ちょっと行ってみよう」と母に誘われ、入館することにしました。

やはり、倉俣朗さんの代表作といえば【ミス・ブランチ】です。
赤い薔薇がプラスチックの椅子に散りばめられています。

薔薇をこういう風に鮮やかで美しい敷き詰められ方は個人的にも好きです。
なんだか、品を感じました。

この作品を創作した経緯が好きです。
【NHKの日曜美術館】で紹介されていた内容で言うと、生まれてきた娘さんのために作った椅子だそうです。

娘さんが生まれてから、芸術の力(閃き力)が爆発的に開花したみたいです。
元々芸術のセンスはあったのはもちろんのことですが、更にパワーアップされたそうです。

ここからは、私の考察なのですが、倉俣さんの中に娘さんを色鮮やかで綺麗な世界観に連れて行きたかったのではないかと作品を観て思いました。

代表作といえばもう一つ有名な作品があります。
【硝子の椅子】です。

展覧会で観たときは、どこが素晴らしいところなのだろうと思っていました。
展覧会を周っている内にだから凄いのかと凄さの訳が書かれた説明欄を見付けました。
【硝子の椅子】は、過去と未来を表現している作品です。

椅子を壊す前は現在という過去を表しています。壊した後は、未来を表しています。
つまり、現在というものはほんの一瞬のことで、その一瞬を過ぎ去ればもう過去です。
反対に現在を越していない状態は(例え瞬間の状態でも)まだ未来です。
ということでした。

一枚の写真を観たときに先程の説明に納得することが出来ました。
その写真は、公園に【硝子の椅子】が置かれていて椅子の向こう側には花が何輪か植わっていました。その様子に椅子の向こうは未来を表していると思うことができました。
ただ、まさか椅子を壊すという発想は無かったのでその説明には驚きました。

倉俣史朗 家具のデザイン

次は、倉俣史朗さんがデザインされた家具の中で心に残ったものを紹介します。
小さい引き出しがいくつもあるタンスです。

そのタンスは真っ直ぐ作られていなくて湾曲になっていていました。
ユニークな形になっていました。
そのタンスを観た感想は、どうしてタンスを曲がらせて作ったのか?でした。
引き出しをそこまで細かくしたかも気になりました。

倉俣史朗さんによると
空間と対話
空間に興味を持ち遊ぶこと
その二つが大事
だから、引出しをいくつも作った。
らしいです。

倉俣史朗さんは、空間というものに考えを巡らせていたみたいです。

この下の文章は微かな記憶になってしまうので、違っている可能性もありますが….
空間と対話することにより、空間にある目には見えない原子などの量子を感じることが出来ると言いたかったとなっています。

また、この文章を観たときに量子を感じることが出来たら、量子と一体感を持てる。その一体感は、人間にとって必要なものと言いたかったのではないかと思いました。

次の作品は、透明な商品棚でした。
当時の店でいくつもあった商品棚が全て透明だった様子の写真が展示されていました。
店内も明々としているのでなんだか斬新な棚のような気がしました。

突拍子もないデザイン性を感じました。
お客さんは購買欲が注がれただろうと思いました。

感想

家具とかお店に置くようなものは、便利さや機能性を重きにするものとずっと思っていました。

しかし自分の世界に対する考え方や人間の本来持っている好奇心を引き出すために家具を作るという発想を持って表現したのは、芸術家とも言えるし思想家とも捉えられる活動をしていると思いました。

ここまで読んで頂きありがとうございます。
少しでも楽しんで頂けたら幸いです。

written by 就労継続支援B型事業所 ユアライフ新大阪